君が落とした青空


「今日は暇なの?」



つい、そう言ってしまって自分で、あ、と思ったけれどもう手遅れ。

なんだって私はすぐに言葉に出してしまうのか。思った事を――少し意地悪に言ってしまうこの口。


「あ?」

ほらきた。

「なんだよ?暇つぶしに誘ってるみたいに言うなよお前」

あからさまにむっとした顔つきでポケットに手を突っ込んで教室を後にする修弥の姿を見つめた。


「また帰りに来るから」

「わかった」

教室の扉で少し足を止めて私の方に振り返った修弥に、私も軽く返事をした。


――暇つぶしに誘ってる癖に。

その言葉は飲み込んだ。



言いたい訳じゃないけれど、言わないことも出来なくて、中途半端な嫌味ばかり。


ケンカする訳じゃないけれど、どこか晴れない心と、私たちの関係。


昔からこんな感じで、多分そんなに変わってないけれど…どこか変わってきているような気もする私たち。



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