pure love

epi3


何日かたった放課後のこと。
私は陸上で使う線を必死に引いていた。その時後ろから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。

「市川」

聞き慣れた優しい声。私はすぐに後ろを見た。

「亮太っ」

線を引く手を休め、亮太に体を向けた。そしていつもと違う感情が出てきた気がした。

「何もないんやけどな」

ドキドキと鼓動が鳴っているのに気付いた。

「何やねん」

ドキドキしているせいかうまく舌が回らない。

「ただ声かけてみただけ。頑張ってな!」

笑顔で私の顔を見る亮太をしっかり見ることができない。

「うん、ありがとう。亮太も頑張って」

その日は何をしていても亮太のことばかり考えていた。

< 13 / 150 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop