pure love
部活が終わって少しずつ空が暗くなってくる。

「今日は亮太と帰るからみんな、先帰ってて!」
「そうなん?待っとこか?」夏が優しく声をかけてくれる。

「ううん!今日はゆっくり一人で亮太のこと待ってたいねん。ありがとう」
「分かった!気をつけな?」私はみんなと別れて野球部が見えるとこで待っていることにした。

20分くらい待っているとこっちに近づいてくる足音が聞こえる。薄暗いけど亮太が笑顔で歩いてくるのがなんとなくわかった。

「亮太っ!」私はその場に立ち上がって手を振った。

「待った?」
「ううん!亮太待つのん全然苦痛じゃなかったよ。部活お疲れ様。」私と亮太は横に並んでゆっくり歩き出す。

「昨日、ほんまにありがとう。嬉しかった!亮太来てくれたからすぐに熱下がったんやわ。」となりにいるだけでほんとに落ち着く。そしてドキドキする。

「昨日な、行こうとしたのはよかったのはよかったんやけどさ、愛海のマンション知ってるけど、番号知らんやん?」それを言われて初めて気づいた。

そうだ、亮太はうちの部屋番号を知らない。
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