人間になりたかった向日葵

そう言って慧人くんは、私に水を注ぐ。



あぁ、気持ちいいな、癒される。



だけど、それ以上に私は、慧人くんの笑顔に癒される。




なんで私は、人間を好きになってしまったのだろう?



何度も何度も思った。



なぜ私は植物で、あなたは人間…?



叶うわけのない恋。



まず、私植物だから慧人くんと話すことだって出来ないし



夏の終わりには枯れちゃう…。





慧人くんと話したい。



何も起こらないまま、散りたくない。





── 人間になりたい ──





お願い、神様。



少しだけでいいから…。




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