人間になりたかった向日葵


「どうぞ」



「お邪魔しま~す…」



俺はその女の子を部屋にいれた。



部屋に女を入れるのは姉貴と母さんと沙也加以外だな…。




「あ、適当に座っててください。

今お茶いれるんで」



そう言って俺はキッチンに行って、紅茶をいれた。



でも、なんでだろう。



ちょっと前までの俺なら絶対見知らぬ女なんて、話しかけなかったのに(笑)




「お待たせ」



紅茶を持っていくと、その子は少し笑った。



「ありがとございます…」



「温かい…美味しい…」



「よかった♪

あ、まだ名前聞いてませんでしたよね?

俺は峯岸慧人です。
ちなみに20歳(笑)」



「私は…向日葵」



向日葵…か。



てか、なんで名字言わないんだろ。



家出少女とか?



こういうのはほっとくべきだよね。



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