不器用な僕等の唄を




「流星、私のこと好き?」

自分でも驚くことを聞いた。
普段、絶対にしない質問だから。

「好きだよ。」

優しい声で、流星は返してくれる。

猫を被っておちゃらけた流星も、不機嫌な流星も好き。

「…うん、別れよう。」

今ならまだ間に合う。

透子ちゃんに彼氏が出来たと聞くことはないし、まだ大丈夫。

私達は保健室を出る。

「何?俺の事嫌いになった?」

「違うよ。」

「じゃあ、勘違い。」

本館の方は賑わっているみたいで、開いた廊下の窓からは冷気と人のかけ声が聞こえる。



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