不器用な僕等の唄を

次の日、陸上部の練習の時に久々に、こけて転んだ。

痛々しく膝から出る血。

「何してんの!?」

「擦りむいただけなんだけど…。」

「やだー!!痛い!」

近くにいた高橋は「は?」という目で茉莉を見る。

「ほら、見てると痛くなるじゃん!」

妙に私も高橋もその言葉に納得してしまった。







家に帰ったら、きっとお姉ちゃん居るだろうな。

今まであんな事思ってたんだって思われたら…。

足が重たい。

私の言ったことが全部デタラメだって言ったら、嘘になる。



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