【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
私のタイムリミットは後二週間。


私の夏休み自体は後一ヶ月はあるけど、父の迎えが来るのは二週間ということになる。


折り返し地点。私は、変わらず一日の殆どをお店の手伝いで終わらせ、ナツとまったり過ごしす。


一日一日が、沖縄独特のゆったりした空気に包まれ充実している。


この地が、この場所が、ずっと居場所であればいいのになんてことまで思えるくらい。


だけど……どうしても、カズに言われた『このままでいいの?』の言葉が引っ掛かった。


このままでいい、わけがない。だって、心がいつでも何かを叫びたがっているように、痛いんだ。この痛みを取り除きたい。


私は、さよならをする前に、ナツに何を伝えればいいのだろう……?
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