濡れた体温ごと奪って
女を送って直帰した時の事、隣りの部屋から紗耶が勢いよく飛び出して来た。
…何かあったのか?
紗耶は俺に気付くも素通りしようと小走りで擦れ違おうとした。
俺は紗耶の隙をついて腕を強く掴み、引き寄せて顔を覗き込む。
目に涙を溜めて…どうした?
まさか…母親関係か?
「…来い」
「やっ!!離してっ!!」
「紗耶。落ち着け」
紗耶の様子がおかしい。
俺は無理矢理力づくで紗耶を引っ張り部屋へと入れてリビングへ引き連れた。