濡れた体温ごと奪って


硬直していた体に漸く余裕が出来ると、重い足取りで自分の部屋へと入る。


さっきの…間違いなく…翔ちゃんだよね…?


あの身長といい顔といい…間違いなく翔ちゃんだよね…?


私が間違える筈ないもん。


この六年間…つらくて苦しい時…いつも翔ちゃんの事を想いながら乗り越えて来たんだもん。


私が間違える筈ない。


夜な夜な聞こえて来る声のクレームを言いに行ったのに…結局何も言えなかった…。


それ所じゃなくなっちゃった。



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