素直に優しく―360日の奇跡―



付き合いが悪い私に声を掛ける子は日に日に少なくなっていた。

それが中学二年、14歳になる少し前。




「あんたさ…生意気なんだよね。姉ちゃんいるからってしゃしゃり出てんじゃねーよ!」


「だから?姉ちゃんいるから何?別に私に姉ちゃんがいてあんたに迷惑なんてかけてないじゃん。

ね、センパイ?」




呼び出しなんて二年に上がってから当たり前にあった。

私には三つ年上の姉がいる。
姉ちゃんが卒業して私が入学したから入れ違いではあったけど、姉ちゃんが中学にいた頃からの彼氏がいわゆるリーダーみたいな人だった。

そのせいか姉ちゃんの彼氏がまだ居た頃はいじめや呼び出しなんてなかったんだ。

その人がみんな怖かったから。


でも私が二年に上がる前にその人が卒業して、学年が上がったと同時に始まった後輩いびり。



―――…くだらない。



未だに目の前で騒ぐ三年の女を下から睨みつけて近くにあったごみ箱を蹴っ飛ばした。




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