AVENTURE -君の名前を教えて-
「ちょ、アヤ!お、おろして!」

じたばたと暴れる私を、アヤはゆっくりとおろしてくれた。

「どうしてあんなこと…」

アヤの言葉を思い出すと、自分の頬がかぁっと熱くなるのがわかった。

「お前を傷つけた。その報いは受けるべきだ」

アヤの真剣な言葉に、私は思わず黙り込んだ。

「…なんてな。ま、実際に感謝しているのは事実だ。前にも言っただろう?お前が旅行前に彼氏と別れてくれたおかげで、俺はこうして、お前の隣にいられる」

そう言って、アヤは私をぎゅっと、優しく抱きしめた。

「…まぁ、ちょっと。いい気味って思ったのは確かだし」

もごもごと言う私に、アヤはうん?と首を傾げた。

「ありがと」

「どういたしまして」

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