AVENTURE -君の名前を教えて-
『間もなく、11時20分発…』
館内アナウンスが流れて、私ははっとする。自分達が乗らなくてはならない便の搭乗手続きが始まる。手荷物は、すでに自分のものは預けてしまっているから問題はないのだが。
「手ぶらで来るってどういう意味?行く気、あんの?」
人が行きかう空港のロビーで、私が嫌みったらしく聞いてみると、アイツは溜息をついて応えた。
「ない」
一言、キッパリ。
その言葉に、私は思い切り眉間に皺を寄せた。
「ないって…どういうつもり!?」
思わず声を荒げる。
近くを通りかかった人が、怪訝そうな顔でこっちを見てくる。
恥ずかしいとか、思ったりもしたけれど。
でも、そんな事よりも。
アイツの言った一言が信じられなかった。
「どういうつもりもなにも…そのまんまだけど」
頭をぽりぽりとかきながら応えるアイツに、私のイライラは限界に達した。
「ふざけないでよ…1年も前から約束してたのに、なんなのよ、それ!」
ぎりっと握っていたこぶしをさらに強く握り締める。
「しかもなに?当日、出発直前に行けないって…意味わかんない!」
私は、涙がこぼれそうになるのを必死で堪えた。
館内アナウンスが流れて、私ははっとする。自分達が乗らなくてはならない便の搭乗手続きが始まる。手荷物は、すでに自分のものは預けてしまっているから問題はないのだが。
「手ぶらで来るってどういう意味?行く気、あんの?」
人が行きかう空港のロビーで、私が嫌みったらしく聞いてみると、アイツは溜息をついて応えた。
「ない」
一言、キッパリ。
その言葉に、私は思い切り眉間に皺を寄せた。
「ないって…どういうつもり!?」
思わず声を荒げる。
近くを通りかかった人が、怪訝そうな顔でこっちを見てくる。
恥ずかしいとか、思ったりもしたけれど。
でも、そんな事よりも。
アイツの言った一言が信じられなかった。
「どういうつもりもなにも…そのまんまだけど」
頭をぽりぽりとかきながら応えるアイツに、私のイライラは限界に達した。
「ふざけないでよ…1年も前から約束してたのに、なんなのよ、それ!」
ぎりっと握っていたこぶしをさらに強く握り締める。
「しかもなに?当日、出発直前に行けないって…意味わかんない!」
私は、涙がこぼれそうになるのを必死で堪えた。