泣かないで。

明日から、あたしは本格的に『いじめ』られることなった。

あたしは、泣かなかった。

歯を食いしばって、押し付けられている床を見た。

瞳の中に涙を浮かべているのが自分でも分かる。

朝が来なければいいのに。

来なければ、今日もない。

優月さんが言ってくれた。

あたしのこと、好きだって。

でも、あたしは信じない。

信じない。

絶対に信じない。

嘘かもしれない。

本当じゃないと思う。

だって、こんなあたしを好きだなんて言うはずがない。

あたしは、行きたくない教室に向かった。

靴箱に上履きがあるか確かめる。

しっかり書かれていた。

ー蒼井 実柚。

いつぶりだろう。

なにもされていなく、普通に履けるのは。

あたしは、ゆっくり歩き始めた。



ガラッ...

「っっ...!!!」

クシャッ・・・・

微妙な音がした。

生卵だった。

「何・・・・、コレ」

あたしは、だらだらと流れてくる液体を触れてみた。

「やっ何コレ」

慌ててハンカチを取り出した。

「邪魔だよ!」

ドンッ...!!

「きゃあ!?」

あたしは後ろから思い切り押し飛ばされた。

・・・やめて!!

やめて!!

誰か。助けて!

お願いーーー・・・・!!




< 2 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop