ふたり。
(明side)


「ねぇ、月くんの家行きたい」

何か、びっくりな顔してんだけど、何で?

「あー…いや、ダメ」

「えー!何で?散らかってんの?」

「ううん…」

「………だめな…の?」

一瞬、月くんの顔が暗くなった気がした。

「うん…。家ね、借金あって、取り立て屋来てんの」

「えっ!?なにそれ!!恐っ!!」

「うん。恐いよ。だから、明に会って欲しくないし…ごめんね」

「ううん。いいよっ」

「家、本当は金持ちだったんだけど、親父が事業に失敗して、借金作っちゃって…学校も私立だったんだけど、金無くなっちゃったから、転校してきたんだ」

「そーなんだ。ごめんね…」

「ううん。こっちこそ暗い話してごめん。もう、終わりにしよ」

「…………」

どうにかしてあげたい。

月くんを助ける方法何か無いかな…。

あ!あたしが小さい頃から貯めてるお金なら、少しだけど足しになるかも!

よし。それで、助けよう!

でも、これが月の騙しだと明は知らなかった。

後で、どうなるかも知らずに。
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