図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】


殴ったのは蓮。


「ぅわって、ちょっ、待てよ!」


吹っ飛ばされた男に向かって、さらに向かって行く蓮を止めるように、新が慌てて蓮の腕を掴んだ。


「離せよ!こいつが美優をっ・・・・!」




-汚した-




蓮は新の手を振りほどくように、腕を大きく後ろに振った。


「バッカ、マズイって!」


蓮は倒れ込んだ男の襟元を左手で持ち上げて、睨み付ける。


「蓮!」


新が蓮の振り上げた右腕を掴む。


「どけよ!」


蓮はその手を振り払って――





「美優ちゃん、泣くよ?」






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