恋がしたくて…
その時だった。
ダウンロードしたばかりのミスチルの新曲が、メールの着信を知らせた。

『そっちは 今から ライブ? 札幌は 寒い。マジ 寒い! 楽しんでこいよな。』
との 佐々木さんからのメールだった。

初めてのメールだ。

アドレス 教えた甲斐あった。

そっちも 寒いんだぁ。

こっちも 寒いよ。

メール 嬉しい。

うれしい。

うれしい。

気付けば 携帯を しっかりと 握りしめている私。

道の真ん中で 微笑んでいる私。

ペイジェントの青さが 私の心を 切なくした勢いで…。

夕焼けの オレンジが 私を心を あたためはじめた。

私ったら。
いい年して…。
何 こんなメール一本で 元気になってんだろ。

でも ワルくない。

さっきまでの 切なさも。

今の この あたたかさも。

ワルくない。

むしろ いい。


そうだ。
佐々木さんにパンフを買っていってあげよう!

グッツ売り場に向かって走り出す私。

忘れてた 感情が 蘇る。

ワクワク ワクワク。
ソワソワ ソワソワ。

佐々木さんにメールを返す。

『こちらも 寒いですヨ!お仕事 頑張って下さい』

送信!

ドキドキ ドキドキ。
ドキドキ ドキドキ。

たった これだけの事なのに…。

何 何!?
今度は ドキドキしてきた。

でも もう ひるまない。

街が キレイだから。
夕日が 美しいから。

私は ひるまない。

ライブが 終わったら、今度は感想のメールを打とう!

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