恋がしたくて…
罪悪感
佐々木さんが指定してきた店は お洒落だった。

落ち着いていて、

大人の店だ。


暗めの照明の中、食前酒が運ばれてくる。

緊張してるあたしは、それを 見抜かれぬよう、
ばかに されぬよう、

とにかく 話しまくった。


えっと…。

ミスチルの感想、感想。


あの曲やって、
この曲やって、

桜井さんが かっこよくて。


…… あれれっ?

なんか このシチュエーションで この話題じゃ バカっぽくないかぁ?


そんな ばかげた話なのに、
「うん、うん。」と優しい 笑顔で 聞き続けてくれる 佐々木さん。


まただ。

そんな 優しい目で 見ないで。

子供を 見守るような。

弱い者を いたわるかのような 優しい目。

そんな目を されると 尚更 慌てしまう。

本気で 好きに なっちゃうよ。






…パパの 顔が 一瞬 よぎる。

目には 佐々木さんが うつる。


突然、


あたし。
何 やってんだろ。

とんでもない事してる。


と 罪悪感に おびえ、一瞬、会話に つまる。



「どうした? もう酔ったか?」


と 私を 心配そうに 覗きこむ 佐々木さん。



切なさが 胸を 襲う。



どうしよう。


あたし。


本気で すきに なっちゃいそうだよ…。
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