涙の宝器~異空間前編
およそ二十分をかけて足を止めたのは古ぼけたビルの前。
一息付いて一気に階段を駆け上がる。
緊張で足がつりそうになっていた。
やがて屋上の階まで辿り着くと、ゆっくりとドアを開けた。
彼は音の消えたような空間に足を踏み入れる。
屋上一帯は言葉にできない何かを感じさせた。
遠くに人影が見える。
そこには月明かりに照らされた麻衣が、手すりの内側でぼんやりと立っていた。
その姿に彼の全身は安堵した。
そうして彼女一点だけを見つめながらあの一件の真相を伝える覚悟を決めた。
「麻衣」
その声に彼女はゆっくりと振り向いた。
そんな彼女に彼はゆっくりと近づいた。
突如、麻衣のケータイが鳴る。
彼女はその電話を取ってしまった。
「もしもし麻衣ちゃん?」
「何?」
「彼と会えた?」
「うん」
一息付いて一気に階段を駆け上がる。
緊張で足がつりそうになっていた。
やがて屋上の階まで辿り着くと、ゆっくりとドアを開けた。
彼は音の消えたような空間に足を踏み入れる。
屋上一帯は言葉にできない何かを感じさせた。
遠くに人影が見える。
そこには月明かりに照らされた麻衣が、手すりの内側でぼんやりと立っていた。
その姿に彼の全身は安堵した。
そうして彼女一点だけを見つめながらあの一件の真相を伝える覚悟を決めた。
「麻衣」
その声に彼女はゆっくりと振り向いた。
そんな彼女に彼はゆっくりと近づいた。
突如、麻衣のケータイが鳴る。
彼女はその電話を取ってしまった。
「もしもし麻衣ちゃん?」
「何?」
「彼と会えた?」
「うん」