お伽話をキミに。
俯いて黙り込んだ俺に、郁はふぅと小さく息を吐くとおもむろに意図のわからない話を話しはじめた。
毎日弁当?
「…しかも、デートする度に家まで迎えに行ってて…記念日とかには毎月花とか何かしら贈ったり…」
凄くね?と首を傾げる郁(無表情なのになんか可愛い)に俺は素直に頷いた。
迎えに、花!?
過保護すぎじゃねぇ!?
想像出来ない甘やかし方に随分世話焼きな人なんだな…と思いながら、俺は口を挟まずその話に耳を傾ける。
「…見た感じ、全然そういうのしなさそうな人なんだ。寧ろ女使い捨てにしそうな感じ?」