お伽話をキミに。
《落ちてきた天使》
「遅くなってすみませんでした」
「いやいや大丈夫だぞ」
本当に心から申し訳なさそうに眉を下げ、一礼してから職員室を出る。
……よっしゃ、セーフ!!
あっぶなかったー…危うく高校行けなくなるとこだった。
思わずガッツポーズしたくなったけど、ここは廊下。
誰が見てるかわかんねぇからそんなこと出来ない。
………だって、王子が廊下でガッツポーズは…ちょっと、ねぇ?引くだろ?
こんなとこでイメージを崩すわけにもいかないから、俺は何とか平常心を保って郁が待ってるはずの教室を目指した。