お伽話をキミに。

《落ちてきた天使》





「遅くなってすみませんでした」


「いやいや大丈夫だぞ」




本当に心から申し訳なさそうに眉を下げ、一礼してから職員室を出る。




……よっしゃ、セーフ!!

あっぶなかったー…危うく高校行けなくなるとこだった。




思わずガッツポーズしたくなったけど、ここは廊下。

誰が見てるかわかんねぇからそんなこと出来ない。





………だって、王子が廊下でガッツポーズは…ちょっと、ねぇ?引くだろ?






こんなとこでイメージを崩すわけにもいかないから、俺は何とか平常心を保って郁が待ってるはずの教室を目指した。





< 21 / 177 >

この作品をシェア

pagetop