colors
勇気を出して想いを告げたのは去年の秋。

大事な試合に出場するというあなたに、手作りのミサンガに手紙を添えて渡した。

付き合って下さいなんて図々しくて書けなかった。

ただ、私の気持ちだけを綴った手紙。

返事なんて要らなかった。

気持ちだけ知ってほしくて。

なのにどう思われるか不安で。

こっそりあなたの出場する試合を応援に行った。

ピッチを駆け抜ける背番号11番のあなた。

その左手首にミサンガが揺れていた時は、涙が出そうなくらい嬉しかったのを今でも覚えている。

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