colors
「秋や冬は嫌い。帰り道怖いもん」

僕に寄り添うように座る紗枝。

「だったら寄り道なんかしなきゃいいのに」

「弘樹がいる時はいいんだよ。ちゃんと送ってくれるじゃない」

まぁ、確かに。

紗枝を置いて帰るのは、僕の方が心配になる。

あと1ヶ月もすればクリスマスが来る。

ちょっと気が早いけど、クリスマスプレゼントは何がいいか、二人で店を見て回っていたのだ。

「クリスマスイヴはイルミネーションが綺麗だから、また寄り道しちゃいそうだね」

嬉しそうに笑う紗枝。

暗い夜でも、クリスマスイヴは特別のようだ。

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