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「あれー」

下校中、後ろを歩いていた依子が声を上げる。

「あの駄菓子屋、なくなっちゃったんだねぇ」

「あ、本当だ」

小学校の帰り道、先生にダメですよって言われてたのに、依子と一緒に買い食いしたっけ。

翌日クラスの男の子に告げ口されて、先生に叱られた。

あの駄菓子屋さんもいい思い出だったのに。

「何だか寂しいねぇ」

ポツリと呟く依子。

「うん」

つられて私も頷いた。

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