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だけど…。

選考結果の中に、聡子の名前はなかった。

…私と同じように頑張ってた聡子。

毎日休まず部活に出ていた聡子。

一番最後まで、私よりも遅くまで居残りして練習に打ち込んでいた聡子。

その彼女の名前が、選考結果の中にはない。

…腕組みして、顎に片手を当てて、険しい表情をして貼り紙を見ていた聡子。

その瞳に。

「!」

ジワリと涙が浮かんでいるのを見てしまい、私は慌ててしまった。

「さ、聡子!こんなのおかしいよ!聡子誰よりも頑張ってたのに!」

親友が交流戦のメンバーに落選した。

なのに自分が選ばれた事で安堵し、聡子の気持ちをここまで考えてもいなかった。

その事を恥ずかしく思った。

私は酷い奴だと思った。

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