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あいつとの帰り道

「よっと」

海沿いの通学路。

防波堤の上に上がって、綱渡りするみたいに歩く。

両手を広げて、バランスとりながら。

「落っこちるぞ、早苗。降りて来いよ」

防波堤の下。

私と自分の鞄を持って、正一が私を見上げた。

右手で二人分の鞄を担ぎ、左手は学生ズボンのポケットに突っ込んでいる。

二人分の鞄でも、片手で持てちゃうんだね。

やっぱり女の子と違って、正一は力持ちで逞しい感じがする。

そういう所を、異性として意識するようになったのかな…。

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