キスして

~ 壮陛side ~

俺の隣の席は入学してからずっと空いてた。

別にどうでもよかった。


でもしばらくしてこの席に座ってきたのは外人みてぇな女だった。

目は澄んでて、掘りが深い。

白い肌に綺麗な顔立ち。


誰もが羨む外見の女。


俺も実際最初は見とれたし、ヤってみてぇって思った。



それからしばらくして屋上で菜穂の姿を見たとき、何でコイツここに?って思った。

でも俺は同時に声を掛けてた。


「あんた、外人?」

って。


俺が他人に、ましてや女に興味を持って話しかけるなんてほとんどない。

だって不自由してねぇし。

でもこいつには多分、このあと振り向いた表情を見たときに堕とされてた。


振り向いてキョロキョロとする表情があまりにも綺麗で、その時の空に合ってた。

あの綺麗な青い空に。





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