キスして
第四話 ≪距離≫
「ありがと~!!グスン…パパもママも幸せよ~グスン。」


結婚記念日をお祝いした。

パパとママの。

食後に放課後にお兄ちゃんと買った時計つきのフォトアルバム。

喜んでくれてよかった。



でもわたしは完全に上の空だった。


キス、しちゃった。

涼風くんの顔があんなに近くにあって…そして唇が!!!!!


「菜穂、顔赤くない?風邪??」


横からお兄ちゃんが言ってきた。

パパとママもほんとだ。とか言ってくるのを焦って


「いやいや違う!!」

と否定した。


「菜穂ちゃん…何かあったんじゃないわよね??」

ママが鋭く聞いてきた。


「そ、そんな何もないよ!!あ、ごちそうさま!!部屋戻るね。」


怪しむ3人をよそに、わたしはそそくさと上にあがった。


そしてベッドに横になると枕に顔をあててまた思い出した。

恥ずかしいけど…すっごい幸せ。

キスしてくれたんだ。

ファーストキス、奪ってくれたんだ。


しかもあんなに妬いてまで。


「今日から俺、連絡とかちゃんとするから。」


あれから言ってくれた言葉。

幸せというベールでわたしは包まれてるようだった。


約束通り、メールが来た。


しかも憧れてた”なにしてた??”とかたわいない内容。

用事がなくてもメールが出来ることにまた幸せを感じた。


その日、遅くまでわたしたちは連絡を取り合ってた。

付き合ってるって改めて実感できた。
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