snake in the grass

「残念な事に解けてしまったようだ。十字架に埋め尽くされた教会に閉じ込めたのに、、、」

上村剛は奥歯を強く噛んで悔やんでいる。

「何故封印が解けたんでしょうか?」

美月が首を傾げる。

「簡単だよ」

潤は鼻を鳴らす。

「教えてください、叶夜さんっ」

美月は手を合わせる。

上村剛は潤の言葉を待っている。


「それはまた今度教えてあげます」

潤は上村剛に声をかける。

「今日は上村さんのご自宅に泊めていただけますか?」

「勿論。外には出られないからね」

「ありがとうございます」

潤と美月は頭を下げる。

時刻は短針が9を指していた。



夕食を終え、潤と美月は直ぐに布団に入った。

「携帯が繋がらないと不便ですね」

灯りを消した部屋の中でポツリと美月が呟いた。

夕食を終えた後、町に居る警部の亘田透(センダトオル)に電話をかけたのだが、村は山に囲まれていて圏外で繋がらなかったのだ。

圏外や門が閉まっている所為で村は完全に孤立状態だ。

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