終止符。
「はい!天使のミルクです」


中年男の、手慣れた声がする。


背中にゾクリと悪寒が走った。


「……っ!」

「もしもし~?」


「まっ…間違いました」


私は慌てて受話器を置いた。

気がつくと、手と額にじっとりと変な汗がにじんでいた。


「…はぁ、覚悟を決めたはずだったのにな…」



ぽつりとつぶやく。


そのまま私は、電話ボックスの中でしゃがみ込んだ。


電話ボックスから見た外の世界がやたら遠くて、私は一人取り残された様な気になっていた。


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