終止符。
私は何もする事がなく、だからと言って寝る気にもなれなかった。

ただベッドに仰向けになる。

この家の無駄に高い天井が、ぼんやりと視界を覆う。

そして伯母の言っていた、「ここに住んでたじゃない」の言葉だけが、頭の中でリフレインしていた。

私の記憶には抜け落ちた箇所があるらしい。

それを知りたいのかどうか、正直わからなかった。

知った所で何か変わるのだろうか?

散々悩んでようやく自分の思考が別の事へ向かおうとした時、徳田が私に夕食の時間である事を告げに来た。

私は徳田に案内され、ダイニングテーブルの席についた。


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