シャーペンと君とあたし



「な…っ!」

「言っとくけど、全然似てねーから。」

「うっ、うるさいっ!」



似てないことくらい
自分でも分かってるっつーの!


フンッと顔を背けて前を向く。




…と、ニコニコ笑ってる先生。




この状況は、まずくない?



サーッと血の気が低くのが分かる。

金縛りにあった気分─…





「寝坊しました。」


声がした瞬間、
先生の意識が入り口に移る。



た、たすかったぁ…


遅刻してきてくれた人、

ありがとぉ!



あたしも扉の方に目をむける。


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