妖士(ようし)
第四章

暗雲

ぽとり・・・

滴が音を立ててこぼれ落ちる。

「姫よ・・・。全て整いました。」

双翼をもつ人ほどの大きさの、鳥妖が嘴を開いた。

「ご苦労様・・・」

暗い洞穴の最奥に横たわっていた、女が体を起こした。

「そろそろね・・・。」
女の目が紅く染まる。
「愚かな人間共よ・・・我が一族の怨み、思い知るがいい・・・!!」

洞穴から凄まじい妖気が立ちのぼる。

彼女の配下の妖達が咆哮をあげて、つぎつぎに飛び出していく。

復讐のために・・・


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