【完】甘い恋愛授業



一時藍沢くんと歩いていて、もう科学室からはだいぶ離れていた。


もしかしたら、もう歩くんは科学室にはいないかもしれない。


でも―――…


「?山崎さん??」

「あ、私、科学室に忘れ物しちゃった!ちょっと取り入ってくるから、藍沢くんは帰っててもいいよ」

「忘れ物?」

「う、うん」


ああ、何で自分はこんな簡単な理由しか思いつかないんだろ。

そんなことを思いながら、私はギュッと鞄を握り締める。


ううっ…嘘だってバレないでぇ…



「……そっか」



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