【完】甘い恋愛授業
「え……つっ」
いきなりの紗希ちゃんの質問に、帰り支度をしていた手がピタリと止まる。
いや、でも、さすがに歩くんのことを話すわけには……
「ん、ん〜と…なんとなく?」
「……ふ〜ん」
ジトーッとした目で、紗希ちゃんは私の顔を疑わしそうに下から覗いてくる。
うぅっ! やっぱり、紗希ちゃんにはバレちゃったのかな……
「……あのっ」
「まあ、別にいいけど。私には関係ないしー」
そう言って紗希ちゃんは、鞄を持ってガタリと椅子から立ち上がった。