【完】甘い恋愛授業
そんな嫌な考えは否定したいけど、これだけ探していないんじゃあ……
「……あっ!!」
ふと、廊下の先に白衣をきた男の子の姿が見えた。
あの後ろ姿は……
「歩くん!!」
そう声を上げて、私はその男の子に近づいた。
「歩くん良かった!私、すごく探して……」
「え?」
近づいて声をかけて、そこでやっと気づく。
……歩くんじゃない。
「あ、ごめんなさい。人違い…でした」
そう言ってペコリ頭を下げると、「あ、人違い?」と言ってその男の子はどこかに行ってしまった。