【完】甘い恋愛授業
落ち着いた声でそう言って、藍沢くんは近くにあった水道にいって自分のハンカチを濡らす。
そしてそのハンカチを、藍沢くんは私の頭にあてた。
「……痛む?」
「ううん、大丈夫。ありがとね」
そう言って笑顔を返すと、藍沢くんは「別に」とだけ言ってそのハンカチを私に渡した。
ヒヤッとして気持ちいー…
「……じゃあ行こう。山崎さんも、今から部活に行くんだろ?」
「えっ、いや……今日は」
「?どうかした山崎さん??」
いきなり顔を歪ませた私を、藍沢くんは不思議そうに見つめる。
「いや、あの……今日は、部活をお休みしようかと……」