異常が正常で、正常が異常で
「ふぅ。」


湯船に入ったら、

つい言ってしまった。


「気持ちいいわよね。」


佐藤さんに話しかけられて、

つい苦笑い。


「色々と辛かったのね。」


私の傷跡に気づいた佐藤さんが、

私の手首を見ながら言った。



あれ?



何で?



気づいたら、



私の目から涙が出ていた。





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