紳士的なLady



「ほら、保健室着いたぞ」


馬鹿と言われて、軽く傷ついている私に、架月が話しかける。



「……もう先生帰ったけど、鍵どうするの?」




私がそう訊ねると、無表情でドアを見つめる。

もしかして、忘れてたとか?



「架月?鍵、持ってる?」



架月の事だから、また「馬鹿」とでも言うのだろう。




だけど、架月は言わない。






……。

きっと忘れたんだろう。




「……ちょっと、下ろしていいか?」



やっと口を開いた。



「いいけど。何で?」



私は、分かっているのにわざと、架月に訊く。




「……鍵、取ってくるから……」


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