紳士的なLady
小さく舌打ちをして、私を包んでいた腕を下ろす架月。
その様子を見てから、千波はいつも通りの、可愛らしい笑顔を浮かべる。
この子が怖くて仕方が無いんですけど。
「つ……剣……」
忘れてた。
ここには千波以外にも、鈴音と小野寺が居たんだった。
私の名前を言って、じりじりと近づいてくる鈴音。
何か言われるんだろうなぁ、と思っていた次の瞬間。
「剣の馬鹿あぁぁ!!」
保健室いっぱいに、鈴音の声が響いた。