紳士的なLady
「私、人前に出るの苦手なんだ。それに、会長ならもっと他の人が向いてるんじゃないかな」
困ったように笑ってみせる。
「嘘でしょー?」とか言われても、貼り付けただけの薄い笑いしか出てこない。
「でも……。さっき話してた人が会長するより……」
「うん。それはそうだよね」
榊が会長になるのなら、勝手になれば良い。
そんな下らない事に構っているほど、私は暇じゃない。
落ち着いて頬杖をつき、顔を右へ傾ける。
「剣ちゃん」
急に後ろから声がすると思ったら、何だかいつもより嬉しそうな笑顔の千波だった。
「どうしたの」
「剣ちゃん。榊くんの鼻っ柱、折ってくれない?」
……?!
「はあ?!何言ってるの千波?!」
何を言い出すのかと思えば、そんな恐ろしい事を。
「榊くん、いっつも練習中に剣ちゃんに勝負挑んでくるでしょ?
いつもいつも迷惑だし、止めて欲しいの。
ねっ?だから、お願い」
何をお願いされたの、私。
「榊くん、潰して」
千波、そういう事止めましょうよ。