紳士的なLady



「私、そう言うの嫌いだから」


サラリと言って、千波から遠ざかる。



その様子を見た千波は、一瞬驚いたような顔を浮かべただけで、またいつものように笑った。



「やっぱりね」

「え?」

「剣ちゃん、『潰す』だなんて、嫌いそうだから言ってみたんだけど。まあ、榊くんはどうでもいいし」

「嘘……」

「本当だよ?私は剣夜さんにしか興味が無いの」




なら……。


「ならさぁ」

「うん。何?」

「会計になれだなんて言わなきゃ良かった!何で千波もっと早く言ってくれないの!」

「あ、そんな事言ったの?
良かったー。榊くん、剣ちゃんのこと好きだもんね。
きっと会計になってくれるよ」



可愛らしい天使のような笑みで言ってくれるが、言葉は悪魔のようだ。


私が言いたいのはそんな事じゃない。



榊が私を好き?



「千波、嘘が下手になった?」

「大きな声でそんな馬鹿な事言わないでくれる?本当の事なんだから」




ごめんなさい。


< 196 / 312 >

この作品をシェア

pagetop