紳士的なLady



「行け」と言ってくれた榊に後を頼み、急いで倉庫へと向かう。



近づくにつれ、吐き気と圧迫感が私を襲う。


それと同時に、品の無い笑い声が耳を劈く。




「この写真、満原って奴に送りつけよーぜ!」

「杉村にも忘れんなよー」



笑い声と、機械的なシャッター音と。

悲鳴が聴こえないから、口を塞がれているのかもしれない。




手に持っている竹刀を、固く握り締める。




ごめんなさい。


竹刀を、こんな場で使う事になって。




背中に伝う、冷たい汗。
一度落ち着かせるために、フゥッと息を吐く。




そして



竹刀で錠を軽く一突きし、倉庫を開けた。


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