紳士的なLady
いつもの架月みたいに、余裕たっぷりの笑顔。
それを見たから、安心出来たんだろう。
よろよろと立ち上がり、鈴音と千波の方へ寄る。
右肩と左手首がズキズキと痛む。
鈴音が巻いてくれた包帯は、もうボロボロだった。
多分、右肩は腫れているだろう。
それを見て、再確認する余裕なんて、今は無い。
「剣!!」
1歩ずつ歩く度に、鈴音の声が頭に響く。
「もう、無理しないで!私たちよりも…」
「ダメ……でしょ?」
弱々しい、私の掠れた声。
こんな姿で助けに来られても、かえって2人に心配させるだけなのに。
それでも、助けなきゃ。
「これぐらい、すぐに解いてあげる」
涙で濡れた2人の顔を見て、安心させるために、にこりと笑って縄に手を伸ばした。