紳士的なLady
授業が始まる前に席に着いて、教科書とノートを鞄から出す。
まだ授業が始まるまでに、3分はある。
……疲れているから、寝よう。
教科書とノートを隅の方へずらし、静かに頭を下ろす。
ゆっくりと瞼を閉じようとしたその瞬間だった。
勢い良く、教室のドアが開く。
「はい、授業始めるぞー!」
先生、今日来るの早すぎじゃない?
まだ授業開始の鐘が鳴っていないのに、始めるなんて。
先生にとっては、私の事情なんてどうでもいいのだろうけれど、今日ぐらい、せめてこの時間だけでものんびりさせて欲しい。
「席替えしたんだな!まだ来てないのはー……。架月!架月玲佳!架月玲佳がまだ来てないぞ?架月はどうした?」
架月架月と連発する先生に、苛立ちを感じながらも、それを無視して窓の外を見る。
「架月いないのかー。じゃあ、誰か連れて来い」
その一言で、クラスの女子の大半がざわめく。
「そうだな……。席替えしたばっかりだし、隣の席の奴にお願いするか。
隣の席は……。おっ、剣か!よし、剣!架月を捜して来い!」
「え……?」
あからさまに嫌な顔をして、先生を見る。
この教員、余計な事言い出して……!