紳士的なLady



「剣!!」


鈴音の高い声が、耳に響く。



響いたと、分かった後に来るのは、痛み。



ただ、それだけだった。





自分の時間だけが止まったみたいに感じて。


ゆっくり、ゆっくりと、落ちていって。







その後、額、肩、お腹、背中、足首に、酷い痛みが走る。





頭の痛みが、酷い。




上半身の全てという全てが、ジンジンと痛む。





「満……原、さん……?」







私の腕の中に居る女子が、私を見上げてぽろぽろと涙を零す。





泣かないでよ。





私が、泣いちゃいそうだから。



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