オモイビト


小学校の頃、同じクラスにしょーくんと呼ばれる可愛い男の子がいた。

あれは確か……四年の頃だ。


特別仲がいいわけじゃなかったけど、結構話はしていた。

放課後になると『ケイくん』が教室まで迎えに来ていた。


しょーくんは想で、ケイくんは蛍都のことだったんだ……。


……そういえば、この前……。


『あれ、あたしなんでこんな早く敬語外れたんだろ?』

『昴は敬語外す前提で仲間入りしたからだ。想が前から目付けてたからな』


……そういうことだったんだ。

想はすでにあたしのことを知っていたから。

だから目を付けていたってことなんだ……。


「今まで黙っててごめん。思い出してくれるまで待とうって話でまとまったのに……」

「五人とも、知ってたんだ……」


あたしの過去を。
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