オモイビト

「お？昴姉がプロポーズした」

「お前早速姉っつってんじゃねーかよ」

「あ、マジだ。ムリだ俺もう定着してるみてぇ」

「別にどっちでもいいよ」

「なんだか昴ちゃんに言いたいこと全部取られちゃってるんじゃない？想」


辰にそう言われて、あたしちょっと言い過ぎたかも、なんて思った。

自分が言われたいことを、言いたいことを、全部自分から想に言っていた。


「想」

「なに？」


どうやらやっと抱きつかれている状況に慣れて来たらしい想。

恥じらいが薄れてちょっと悔しい。


「あたしに何か言いたいことある？」

「……」


ポッと赤面想くん可愛い。


どうやら言いたいことがあるらしい。

可愛い可愛いあたしの想くんはあたしに言いたいことがあるらしい。

しかも真っ赤になるほど恥ずかしいことらしい。