オモイビト


……やっぱ、バカだ……。


三人のいつもの会話を聞きながら、あたしはいつもの場所に座る。

カウンターの手前から五番目。

兎さんと話しやすい位置だから。


「そう言えば兎さんいないね」

「今買い物行ってるんすよ。さっき行ったばっかなんでしばらく帰ってきませんよ」

「ふ〜ん、そう……」


その時、車の音が聞こえた。


「帰って来た」

どうやら辰と陽紀のご登場らしい。


ガチャ...


「あ、想ちゃんと来れたんだ」

「辰、紅茶淹れて」


……今さ、辰ヒドイこと言わなかった?

何気にヒドイこと。

しかもそんな言葉スルーしちゃってる想も想だ。


「おう、昴。オツカレ」
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