放課後恋愛

教室内に、どことなくピリピリとした空気が流れ込む。


すごく気まずい…。


九条君は私から離れずに触れたままだし、朔矢君もジッとこちらを見つめたまま動かない。


朔矢君の視線は、私…というよりも後ろの九条君に注がれているような感じだ。

普段の穏やかな朔矢君からは、想像出来ないような鋭い視線…。


息が詰まるような状況に、為す術もなく視線を泳がせていると、朝のホームルーム前の予鈴が鳴り響いた。

「もうそんな時間になってたんだな…。」


九条君は残念そうに呟くと、私の胸元と髪の毛に触れていた手を離した。



< 337 / 425 >

この作品をシェア

pagetop